どんな罪が?
飲酒運転の罪――2種類の飲酒運転
お酒を飲んだ状態で車を運転すれば、仮に事故や速度超過など他の違反行為を起こさなくても、それだけで刑事罰・行政処分の対象になります。
飲酒運転は、罰則の上では「酒酔い運転」・「酒気帯び運転」の2つに分けられます。
言動などから明らかに酔っていると分かる状態で運転した場合は「酒酔い運転」に分類され、3年以下の懲役または50万以下の罰金が科せられます。明らかに酔っているとは断定できないながらも、血液中のアルコール濃度が一定以上の数値(1リットルの呼気中のアルコール濃度が0.15mg以上)を示した場合は「酒気帯び運転」と分類され、1年以下の懲役または30万以下の罰金が科されます。呼気中アルコール濃度0.15mgには、ビールを少し飲んだ程度で達してしまいます。ちょっとでもお酒を口にしたら、絶対に車を運転してはいけません。
また、どちらの場合も、行政による免許停止・取消の処分を受けなければなりません。免許を取り消された場合には、1年から5年の欠格期間(再び免許を受けることが許されない期間)があります。また、免許再交付の際には取消処分者講習を受講しなくてはなりません。停止処分の場合の停止期間は30日から180日です。
飲酒運転事故の責任
通常、人を巻き込む交通事故を起こした場合は「業務上過失致死傷罪」として扱われ、5年以下の懲役または50万以下の罰金が科せられます。そして、飲酒運転などより悪質であり、危険性を認識しながらも敢えて運転した結果事故を起こしてしまった場合には、より重い「危険運転致死傷罪」に問われてしまいます。被害者が負傷した場合には15年以下、死亡した場合は1年以上20年以下の懲役が科せられます。
損害賠償
飲酒運転で物損事故や人身事故を起こした場合には、多大な額の損害賠償義務を背負うことになってしまいます。一般に酒気帯び運転の場合は「著しい過失」、酒酔い運転の場合には「重過失」があるものとされ、損害賠償額を決定する過失割合がかなり大きくなるからです。最近、人身事故の損害賠償額は増加傾向にあり、死亡や後遺障害といった重大な結果を引き起こした場合には2億円を超える賠償額が認定されることもあります。
飲酒運転事故では、通常の事故の場合に支払われる保険金も支払われないことがあります。多くの場合、被害者への損害賠償に対しては支払われますが、運転者自身の死傷や運転者の車の損害に対する保険金は支払われません。また、飲酒運転事故者は、その後の保険契約継続を拒否されることもあります。
アメリカの場合
車社会の先進国・アメリカでは、飲酒運転に対して日本よりはるかに厳しい罰則が用意されています。州にもよりますが2回目以降の違反では刑務所行きで、1万ドル近い罰金が科せられることがあります。また、インターロック(アルコールを検知するとエンジンが始動しない装置)の設置を義務付けられる場合もあります。