飲酒運転のほう助とは……?
飲酒運転で罪に問われるのは運転する本人だけではありません。
飲酒運転をすすめた、或いは注意義務を果たさなかったと考えられる場合には飲酒運転の「ほう助」として、刑事責任を問われる可能性があります。また運転者とともに民事上の損害賠償義務を負うことも考えられます。
福岡県のRV車転落事故では、加害者と一緒にお酒を飲んだ知人が道路交通法違犯(飲酒運転ほう助)によって、また加害者にお酒を薄めるために水を持ってきた知人も証拠隠滅容疑でそれぞれ逮捕されました。福岡県の事故は、その悲惨さに加えて、飲酒運転は当事者だけの問題ではないという事が強く印象付けられた事件でもありました。
ほう助に当たると考えられる例
例えば以下の行為がほう助にあたると考えられます。
・その人が運転すると知りながら、一緒にお酒を飲む・すすめる。
・店を出たのち運転すると知りながら、来店客にお酒を提供する。
・運転者が飲酒したと知りながら、その人の運転する車に同乗する。
・その他の飲酒運転を促す言動や注意義務を怠ること。
飲酒運転は互いに注意し合って無くしていくものです。上司や仲の良い同僚に対して厳しく注意するのはためらわれるかもしれませんが、本当にその人の事を考えるならば、注意するべきでしょう。道路交通法第65条2項も、「何人も、前項の規定(注:酒気帯び運転の禁止)に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない」と定めています。法律も周囲の勇気ある注意に期待しているのです。
会社の責任
飲酒運転は本人が罰せられるのはもちろんのこと、本人の所属する会社や団体などの組織に大きな損害を被る犯罪です。例えばどのような損害が発生するのでしょうか?
● 金銭的損
お酒を飲むのは一般的に勤務後・夜間が多いと考えられますが、たとえば従業員が会社の飲み会で深酒をした翌朝、二日酔い状態で急いで出勤するためにマイカーを運転し、酒気帯び状態で事故を起こした場合などは、会社側に損害賠償責任が発生する可能性があります(使用者責任・運行供用者責任)。これは決して特別で稀なケースではないはずです。
● 人材ロス
また、事故は金銭的な面だけでの損失ではありません。人材は、会社の基盤。その基盤を失うことになってしまっては、事故にまつわる余分業務の追加や通常業務の遅延を引き起こします。また、会社の規模にもよりますが、書類の保管場所や物品の管理、仕事の割り振りや取引先とのコミュニケーションなど、たった1人欠けるだけでそれまで円滑であったコミュニケーションが煩雑なものになってしまう可能性もあります。
● 評判の悪化
これは分かりやすいかもしれませんが、交通事故、特に飲酒運転は会社のイメージダウンにもつながります。取引先にマイナスの印象を与えるだけではなく、マスコミに会社名を挙げて報じられることとなり、世間的な評判を大きく落としてしまいます。考えられる結果としては、取引の減少をはじめ、採用に対するネガティブなイメージ、他の社員に与える心理的不安など、多岐にわたる損害があります。